よくわかる【食虫植物】ハエトリソウの基礎知識

食虫植物のきほん

エトリソウは、別名ハエトリグサ、ハエジゴク、モウセンゴケ科の多年生の植物です。

ハエトリソウは食虫植物の代名詞。
食虫植物といえば、ハエトリソウを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

私も最初に知った食虫植物で、たちまちその魅力のとりこになりました。

地面からぽっかり口を開けているような、奇妙奇天烈な形状。
口だけがいくつも連なり、円陣を組み、飢えて餌を求めて、催促しているかのようです。

口に似た葉の両縁には細かなトゲがびっしりと生え、まるで牙をむきだしている姿に見えます。

色合いも中が血のような赤に、外側はグリーン。コントラストがキツく、目をうばわれます。

異形(いぎょう)の植物……はじめて見たときに思いました。

まるで怪物。なんて、個性的で面白い植物なんでしょう。
しかも、この植物は動物のように自ら動き虫を食べてしまうのです。

食べるだけではなく消化もできるといいます。なぜ?どうして?
ハエトリソウを目の前にしていると疑問が浮かんで、尽きることがありません。

ハエトリソウは、とてもふしぎで、好奇心を刺激する植物です。
そんなハエトリソウの謎と正体について解説していきます。

ハエトリソウのふしぎに満ちた生態〜捕虫方法

まるで口をあけて待っているかのような…

ハエトリソウの口に似た部分はの一部です。

ハエトリソウの葉は、葉柄が細長いハート型で、その先が二枚貝状になっています。
二枚貝状の葉のふちには、前述の通り、細いトゲが生えています。

葉は地面に沿って放射状につきます。
また、ななめに立ち上がることもあります。

二枚貝状になった部分が、虫を捕まえるわなになり、捕虫葉(ほちゅうよう)と呼びます。

内側には片方に3本、計6本の感覚毛(かんかくもう)と呼ばれるトゲが生えています。
このトゲ一に定の時間内に2回触れることで葉が閉じ、
感覚毛に触れた虫を素早く挟み込んで捕まえます。

そして挟んで捕まえた虫を、葉の内側にある消化腺から出る消化液で溶かして消化し、
吸収して自身の栄養にします。
この捕虫方法については、以下の記事でもくわしく説明しています。

ハエトリソウは多年草で、春から秋にかけて、株の中央に新しい葉をつけて生長します。
初夏には株の中央から1本の花茎を伸ばし、4つから5つくらいの花を咲かせます。

花の色は白く、可愛い花です。

受粉すると種がつき、夏頃には成熟します。

冬の寒い時期には、生長が次第にゆるやかになり、葉の付け根の部分(鱗茎)に栄養を蓄え、休眠します。

ハエトリソウの学名と発見史について

ハエトリソウは、学名をDionaea muscipulaといいます。読み方はディオネア・ムスキプラです。
英名は、Venus flytrap。中国語は捕蠅草です。

ハエトリソウの記録でもっとも古いのは、1759年
分類学の始祖カール・フォン・リンネが『自然の体系』を著し、ヨーロッパの国が植民地支配を広げる中、現地での調査、収集によって、新しい動植物の発見が相次ぎ、博物学が興隆した時代です。

アメリカ、ノースカロライナ植民地の総督アーサー・ドブスが発見し、驚きとともに記録しています。
さぞ驚いたでしょうね!

その後、1768年に博物学者のジョン・エリスが、ギリシア神話の女神ディオーネーから取り、
Dionaea(ディオネア)と名付けました。エリスはこのことを、リンネに手紙で報告しています。

この発見史については、『Dionaea The Venus’s Flytrap』(著 Tim Bailey , Stewart McPherson)
2012年12月刊 出版社:Redfern Natural History Productions Ltd
に詳しく書かれています。
ハエトリソウについて400ページにもわたって書かれている名著です。
興味がある方はぜひお読みください。

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ハエトリソウはどこに生えている?原産地について

故郷は、アメリカのノースカロライナ、サウスカロライナです。

四季のある温暖な気候の地域で、日当たりがよく、マツやブナが生える栄養の貧しい湿地に生えているといいます。世界中でハエトリソウが生えているのは上記の地域のみ。あまりにも局所的な分布です。

ハエトリソウの自生地は保護されていて、採集は禁止。ワシントン条約により球根での輸出入が規制されています。

さまざまなタイプのハエトリソウ

ハエトリソウはモウセンゴケ科の中の一属一種の植物です。生物学的には一種類ですが、突然変異した個体が選別され、園芸名、流通名がつけられています。

タイプの違いはさまざまで、葉を縁取るトゲの形や本数が違うものや葉の色が真っ赤であったり、全部緑であったりします。

どれも、とても魅力的で観葉植物として楽しめます。

シャークスティース
トゲがサメの歯のような短い形
シャークスティース
Bristle Tooth
ブラシの毛のように細かなトゲ
レッド・シャーク
赤くなるタイプ。トゲはサメの歯のよう。

ハエトリソウの観察・入手方法

このように魅力的なハエトリソウを、日本で見ること、買うことができるでしょうか。

・植物園の常設展示、期間限定の食虫植物展
・愛好家団体の集会
・ホームセンター・園芸店
・食虫植物専門店

以上の場所で見ること、買うことができます。

植物園の食虫植物展示

毎夏、日本全国の植物園では、食虫植物展が開かれています。
いろいろ見に行ったところ、植物園ごとに特色があり、とても楽しかったです。
箱根湿性花園の、食虫植物展でのハエトリソウの巨大展示は圧巻でした。
兵庫県立フラワーセンターは食虫植物専用温室があり、
展示のハエトリソウは元気で締まっていてかっこよかったです。

植物園の期間限定の食虫植物展では、販売会も行われるため、そこで購入することができます。

箱根湿性花園のハエトリソウ販売コーナー

食虫植物愛好家団体の集会

・日本食虫植物愛好会
・食虫植物研究会
・東海食虫植物愛好会
・食虫植物探索会

食虫植物を愛好する団体には以上の団体などがあり、定期的に公民館で集会を開いたり
催事場で展示販売会を行っています。
これらの集会に参加して、タイミングによっては、ハエトリソウを見る、買うことができます。
さまざまなタイプのハエトリソウに出会えるチャンスも。
(会に参加する人が持参しているので、ある場合とない場合があります)

ホームセンター・園芸店でハエトリグサを購入するには

4月中旬から9月くらいにかけて、ホームセンターや園芸店で、
アクアショップやペット用品店でハエトリソウが販売されています。

オザキフラワーパーク
プロトリーフ
ヨネヤマプランテイション
Gardens
charm

などなど。ほかにもいろいろなお店で販売されています。
私は、ヨネヤマプランテイションのザ・ガーデンによく行っています。
元気なハエトリソウを買えますよ。とくに5、6月がいい感じです。

食虫植物専門店でハエトリグサを購入するには

いろいろなタイプを探したいのであれば、食虫植物専門店がいいです。

ヒーローズピッチャープランツ
Y’s Exotics山田食虫植物農園
大谷園芸
リベラルファーム

珍しいタイプのハエトリソウがオンラインで販売されています。

ほかにもヤフオクなどオークションサイトや植物系のイベントで入手することもできます。

ハエトリソウの値段はどれくらい?

販売価格はタイプによって異なり、1000円から2000円くらいです。

珍しいタイプが値段が高い傾向があります。
ただし、珍しいタイプは弱く、育てにくい場合があるので、はじめて育てる方はお気をつけください。

ハエトリソウを買うときに気をつけること

実際目で見て選んで買う場合、株がしっかりしていて、葉がぴんと張り、ツヤツヤしているのが良いです。
捕虫葉が弱々しかったり、よれてしまっているのは避けましょう。
また、黒く枯れ込んでいるのも×です。

ハエトリソウの育て方(枯らさないコツ)

ハエトリソウを入手したら、まずその年はそのままいじらずに、屋外の日当たりの良い場所に置き、
土を乾かさないように育てましょう。
置く場所は、花台やガーデンラックの上がいいです。

ハエトリソウをはじめ、食虫植物のほとんどは、乾燥に弱いです。
土がカラカラに乾くと死んでしまうので、とにかく水を切らさないように気をつけます。

冬になり気温が低くなってきたら、ハエトリソウは徐々に生長がにぶくなり、休眠に入ります。
この時期に植え替え、株分けを行います。

今まで植わっていた鉢から、土ごとハエトリソウをやさしく抜き、
根を傷めないように気をつけながら、古い土をやさしく除きます。

植える用の鉢底四分の一くらいに鉢底石を敷き、水苔を用意しておきます。

根の周りに湿らせた水苔を巻きつけ、水苔か食虫植物に適した土で植え込み、
たっぷり水やりをして湿らせます。

植え替え後は、屋外の日当たりの良い場所に置きます。

ハエトリソウは寒い時期でも、暖かい室内には取り込まず、しっかり寒さに当てて
休眠させた方が翌春の生長がいいです。

これで毎年、ハエトリソウと一緒に暮らせます。
植物自体がそれほど大きくないため、ベランダガーデニングにも向いています。
虫を捕る様子を観察して楽しく、育ててかわいいハエトリソウ、ぜひ育ててみてくださいね。

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