長野県北安曇郡に位置する、標高1900メートルから2000メートルに広がる高層湿原の栂池自然園。長い年月をかけてできた湿原で、中部山岳国立公園 第一種特別地域の指定を受ける自然豊かな場所。非常に人気のエリアです。冷涼な気候の泥炭湿地で多くの高山植物、そして食虫植物のモウセンゴケも自生します。
7月末に栂池自然園で見たモウセンゴケのレポートをします。
中部山岳国立公園・栂池自然園へ行く
ゴンドラリフト「イヴ」栂池高原駅〜白樺駅〜栂の森駅
早朝、北陸新幹線で長野まで行き、特急バスに乗り換えて自然園の最寄りの栂池高原駅に行きました。バス停から歩くと、ゴンドラ乗り場の建物「ヴィレッジ・ツガイケ」が見えます。到着したのがお昼で、既に下山した登山者が施設のレストランのテラス席でお昼を食べていました。私は長野駅で購入した野沢菜とねぎ味噌のおやきを上で食べる予定です。
スマホでオンラインでチケットを買い、「ヴィレッジ・ツガイケ」の一階で発券。オンラインで購入すると正規価格から割引になり、当日購入も可能なので断然お得でした。
チケットを持ってゴンドラリフト乗り場へ。栂池自然園へはゴンドラリフトとロープウェイ、二つの乗り物を乗り継いで向かいます。
最初に乗る6人乗りの栂池ゴンドラリフト「イヴ」は途中の白樺駅を通過し、乗車時間は約20分。ゆっくりと上がっていきます。栂の森駅から歩いて、栂大門駅へ。下山してきた人たちとすれ違いました。
栂池ロープウェイ 栂大門駅〜自然園駅
栂大門駅でロープウェイに乗り換えます。ロープウェイは最大71人乗りの大型で、今はコロナ対策として30人を定員にしていました。私が行った時は5人でした。係の方がとても親切です。20分間隔で運行され、5分という短時間で標高1900メートルまで一気に上がりました。
自然園の中について
自然園駅に到着すると、栂池ヒュッテが見え、栂池山荘、ビジターセンター、栂池ヒュッテ記念館と並んでいました。間に、乗鞍岳、白馬大池に行く登山道がありました。すれ違った人たちは、乗鞍岳に登って降りてきた人たちかもしれません。
栂池ヒュッテ、栂池山荘の売店でグッズやソフトクリームなどの軽食が売られ、山荘前の休憩所で食事をしている人も見られます。サルナシソフトクリームが美味しそうでした。
一周およそ5.5kmありますが、木道が敷かれ、整備されているため歩きやすいです。
ビジターセンターを通過し、自然園の中へ。園内は、ミズバショウ湿原、ワタスゲ湿原、楠川をまたぎ、浮島湿原、展望湿原を有しています。
計画としては、ロープウェイの最終の時間が許す限り、モウセンゴケが見つかるまで奥へと探索する予定でした。
栂池に自生するモウセンゴケ
見つけられるかと危惧し、奥の方の湿原のモウセン池までモウセンゴケを確認できないのでは?と思っていたのですが、そんな心配もよそに、園内入ってすぐに自生していました。入り口に近いミズバショウ湿原から広範囲に生え、地面が赤く染まっているのがわかるほど。ワタスゲ湿原の方まで広がっていました。
池塘を中心にモウセンゴケの腺毛の赤さで地面が赤く染まり、それが広範囲にわたります。チングルマ、タテヤマリンドウも一緒に生え、間にクルマユリが咲き乱れ美しく、天国のような場所です。
ゴンドラとロープウェイで一気に高度を上げられて、なおかつ歩きやすく、モウセンゴケと高山植物が見られる良いところだと思いました。
モウセンゴケと一緒に生える植物
栂池自然園の中には様々な高山植物が咲いていました。歩いている最中、一際目を引いたのがクルマユリ。小型の鮮やかなオレンジ色の花で、華やかなのに派手すぎず、美しく、湿原に映えます。
栂の森遊歩道に生えていた植物
栂の森駅から栂大門駅の間にある遊歩道には、多くのウツボグサとタマガワホトトギスが咲いていました。どこか蜘蛛を彷彿とさせるウツボグサの独特な花の形に目を惹かれます。
冷涼な風が吹く風穴
ワタスゲ湿原には風穴があり、雪が残っていました。そこから冷たい風が漂ってきました。火山活動によってできたそうです。