虫を食べる?食虫植物に似ている奇妙な植物5選

食虫植物コラム

世界中にはふしぎな生態をもつ面白い植物が存在します。

中には、食虫植物ではないのに、個性的な姿形から「食虫植物」とよく間違われる植物があります。

私が今まで、友人知人と植物の話をしている時に、よく「あれも食虫植物だよね」と言われ、
食虫植物ではなかった植物ベスト5をご紹介したいと思います。

非食虫植物でも、食虫植物のような謎めいた魅力のある植物たちです。

1位 ラフレシア

東南アジアの熱帯雨林に咲く世界最大の花ラフレシア。
花の直径は1メートルを超えるものもあります。

ラフレシアは、その姿形から、食虫植物に間違われやすいです。

しかし、食虫植物ではなく、寄生植物です。

ブドウ科の植物の根に寄生し、茎や葉をもたず、寄生した先から直接花を咲かせます。
しかもつぼみが咲くまでに1年もの年月を必要とするようです。

咲いた花からは堆肥(たいひ)のような悪臭がします。

この悪臭で虫をおびき寄せます。

おびきよせられた虫は、花びらや内部をウロウロするうちに底に滑り落ち、
円盤部の奥から出る花粉塊にぶつかり、受粉します。

2位 パフィオペディルム

蘭のなかまのパフィオペディルム。

ツボのようなユニークな形をしたリップ(唇弁)が特徴です。

この形からウツボカズラと同じように、虫を捕まえて消化すると思われることがあります。
しかし、食虫植物ではありません。

ウツボカズラの袋はであり、
パフィオペディルムのツボ状のリップはです。

このツボのようなリップに落ちた虫は花粉を運ぶ役割をし、この中で消化されることはないです。

3位 マムシグサ

毒々しい草姿、サラセニアに似ていることから食虫植物に間違われることもあるマムシグサ。

マムシグサの実

山でマムシグサの写真を撮っていた時に、背後から登山者に
「それ食虫植物でしょ」と何度か話しかけられたことがあります。

マムシグサの筒状の部分は仏炎苞(ぶつえんほう)といい、
サトイモ科の植物に見られる付属体です。

マムシグサはオスとメスがあり、仏炎苞の中で花を咲かせます。
仏炎苞の中に迷い込んできた虫は、オスの花で花粉をつけて仏炎苞の下の隙間から逃げ出し、
メスの花の中に入ったものの出口がないため、出口を求めてもがくうちに受粉させ、絶命します。

ところが、消化酵素をもたず、消化することはないために、食虫植物ではありません。

マムシグサの他、近い仲間のムサシアブミ、ウラシマソウも間違えられることがあります。

ムサシアブミ
ウラシマソウ

4位 アリストロキア

アリストロキアもまた、花の形がウツボカズラに似ているために、食虫植物に間違われがちな植物です。

個性的な花の形。
花の根元が袋状になっている種類もあります。

このふしぎな形はガクであり、虫を独特のにおいでおびき寄せます。
ウツボカズラにも似た袋は虫を閉じ込める役割を果たし、
中に逆毛が生えていて、出ようともがく虫の動きによって、花粉が虫のからだにつき、受粉させます。

5位 アツモリソウ

アツモリソウも同じく、食虫植物に間違われることのある蘭です。

花の形が風船のような袋状になり、
まるでウツボカズラのなかまのアリストロキオイデスのようです。

小さな穴に入った虫が、花の内部がつるつると滑りやすくなっているためにすべり、花粉をつけます。

この袋は、効率よく受粉させるための役割をになっています。

番外編 ショクダイオオコンニャク

ひとつの花の単位で世界最大がラフレシアだとしたら、
ショクダイオオコンニャクは、集合花で世界最大です。

3メートルにもなる花は、「ジャングルの食人木」といったイメージがあり、
食虫植物と思われていることがあります。

実際に発見者は食人木だと思ったそうです。

ラフレシアと同じく東南アジアの熱帯雨林に生えていますが、
野生の姿を見るのは、ラフレシアよりも難しいようです。

虫や動物を食べてしまいそうな巨大な花の仕組みはというと、

ヒダのある広がりが、マムシグサと同じく仏炎苞です。
そして、中央にのびた軸の根元に花を咲かせます。
開いたばかりの花からは、生ごみのような強烈な悪臭がし、虫をおびき寄せます。

おびきよせられた虫は、仏炎苞をすべり、内部の底の方に咲く花とぶつかり花粉を体につけます。

中に入って出られないまま、花がしおれて倒壊し、その過程で受粉するようです。

花の寿命はわずか3日くらいしかなく、咲くまでには長い年月を必要とします。

まとめ

食虫植物と間違われる姿をしている植物は、食虫植物と同じように
ふしぎで奇妙な生態をもつ植物が多いようです。

ふしぎな形は、そのままふしぎな生態につながります。

複雑でトリッキーな形、そして生態は、次の代に命をつなぎ、生き残るための作戦なのでしょう。

どれも、食虫植物と同じくらい個性的で魅力のある植物ばかりです。

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