食虫植物は虫を捕まえるための実に多彩でユニークな仕掛けをもっています。
ここでは、落とし穴式のわなについて解説していきます。
落とし穴式のわなをもつ食虫植物の種類
落とし穴式のわなをもつ食虫植物の種類は多いです。
・ウツボカズラ
・サラセニア
・セファロタス・フォリクラリス(フクロユキノシタ)
・ヘリアンフォラ
・ダーリングトニア・カリフォルニカ
・ブロッキニア
・カトプシス
これらの食虫植物はわなの形は違いますが、いずれも落とし穴式で虫を捕まえます。
葉の一部が袋の形になり、その部分が落とし穴のわなになるのです。
くわしくは、ウツボカズラを例にとって、見てみましょう。
落とし穴式わなの仕掛け(ウツボカズラ)
落とし穴式のわなは、ハエトリグサのはさみこみ式と違い、動くことはありません。
まさしく落とし穴が開いた状態で、獲物をひたすら待ちます。
ただし、何もしないでただ待っているわけでもないです。
落とし穴の役目をもつ袋の入り口や、袋の上についたフタから蜜を出し、
においで虫をおびき出します。
さそわれた虫は落とし穴である袋の入り口に足をかけますが、
入り口部分は滑りやすくなっていて、足を滑らせてしまいます。

袋の内側もまた滑りやすく、虫ははい上がることができません。
そして、袋の底には消化液がたまっています。
消化液に落ちた虫を、細菌の力も借りてゆっくり溶かし、吸収します。
虫の外側のかたい殻が少し残ることもあります。
消化するのにかかる時間は、虫の大きさにもよりますが、1週間くらいです。
ウツボカズラやサラセニア、セファロタスなど、落とし穴式のわなをもつ食虫植物は、
袋の形をした葉の上にフタをつけています。
このフタが閉じて、袋の中に落ちた虫を閉じ込めると誤解されていることがあり、
時々そういう質問を受けることもありますが、フタは動きませんし、閉じません。

落とし穴式のわなをもつ食虫植物は、基本的に受け身のわなです。
蜜で誘いながら、じっと待っています。
落とし穴式のわなをもつ食虫植物は、このような方法で、虫を捕まえます。
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