光りかがやく粘液 モウセンゴケ

一見して、葉の表面に水滴がいっぱいついているように見えるモウセンゴケ。

水滴のように見えるものは粘液です。

葉の表面にびっしりとはえた毛から粘液を出し、
その粘液のつぶひとつひとつが光に反射してかがやく、とても美しい食虫植物です。

モウセンゴケのなかまは、およそ170種もあります。
葉の形やつき方がさまざまで、葉の先が丸いもの、葉全体が細長いもの、盾のような形になるもの、
地面に沿うように生えるもの、立ち上がるもの、
大きさも葉の直径が数ミリのものから30センチくらいになるものなどがあります。

そのどれもが、粘液を出してかがやき、形のちがう宝石か砂糖菓子のようで、
見ていて飽きることがありません。

モウセンゴケのおどろきの生態〜捕虫方法

モウセンゴケのつくりはとても繊細で、これで虫を捕まえられるのだろうか?と思うくらいです。
しかし、捕虫能力は高く、多くの虫を捕獲しています。

葉の表面にびっしりと生えた腺毛から粘液を出し、
花や粘液のかがやきにおびき寄せられた虫、もしくはたまたま通り過ぎようとした虫が
その粘液にふれて捕まります。

虫が逃げようともがくと、その動きによって、腺毛が動き出し、
虫の体を押さえ込むように巻き付きます。

さらに腺毛から消化液を出し、虫の体をゆっくり溶かして、吸収し自身の栄養にしています。

モウセンゴケは多年草です。花が咲き、種がついて種から殖え、冬や乾季には休眠します。

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モウセンゴケの名前と発見史について

名前にコケが付いているので、苔のなかまだと思われることがありますが、
苔の仲間ではありません。

モウセンゴケの学名はDrosera(ドロセラ)。

命名はリンネで、露を意味するギリシア語のdrososが語源です。

英名はSundewサンデュー。太陽の露という意味です。

和名のモウセンゴケは、その姿を緋毛氈(ひもうせん)に見立てて名付けられました。

食虫植物(モウセンゴケ)とダーウィン

進化論のチャールズ・ダーウィンと食虫植物の関わりは深いです。

ダーウィンは、食虫植物に深い関心を向け、研究対象とし、
1875年には『食虫植物(原題Insectivorous Plants)』を著しています。

そのきっかけになったのがモウセンゴケ(ロツンディフォリア)との出会いです。
ダーウィンの自伝には以下のように書かれています。

一八六〇年の夏に、私はハートフィールドの近くを散歩して休息していた。
そのあたりには、二種のモウセンゴケDroseraがおびただしく生えていた。
私は、たくさんの昆虫がその葉に捕えられているのに気がついた。
私は何本か家にもって帰り、昆虫を与えながら触毛の運動を見た。
そうしたところ、私には昆虫が何か特殊な目的のためにとらえられていることがほんとうらしく思われてきた。
幸いにも私は決定的なテストを思いついた。
それは、非常に多数の葉を同じ濃度のいろいろな窒素を含む液体、および窒素を含まない液体に入れておくことだった。
前者だけが強力な運動をおこさせることが見られたので、すぐ、ここに研究のためのすばらしい新領域のあることが明らかになった。
つづく何年か、暇のあるときはいつでも、私は実験をつづけた。
著作『食虫植物』Insectivorous Plants は、一八七五年七月に出版された。

チャールズ・ダーウィン 八杉龍一・江上生子『ダーウィン自伝』ちくま学芸文庫 2000年 p.164

ダーウィンは、モウセンゴケの肉食性を指摘し、ビブリス、ドロソフィルム、ゲンリセア、ウツボカズラ、
ムシトリスミレ、ロリドゥラ、タヌキモ、ダーリングトニア、サラセニアも食虫植物ではないかと仮定しました。
しかし当時は、多くの植物学者からこの考えを受け入れられず、
研究は息子のフランシス・ダーウィンに受け継がれています。

ダーウィンの食虫植物への情熱は強く、友人のジョセフ・フッカーに
「動物が姿を変えたもの(根と葉がある奇妙な動物)ではないか」と手紙に書き、
知人への手紙には「この世のあらゆる種の起源よりも、モウセンゴケに関心がある」と書きました。

モウセンゴケはどこに生えている?原産地について

モウセンゴケのなかまは、極地と砂漠をのぞく世界中に分布しています。

とくに多くの種類が生えているのがオーストラリア、そして南アフリカです。

多くの種類が、日当たりの良く、酸性土壌の湿地や水が流れる岩肌に生えています。

日本でもモウセンゴケは生えています。
モウセンゴケ、コモウセンゴケ、イシモチソウ、ナガバノモウセンゴケ、ナガバノイシモチソウが
日本に生えるモウセンゴケのなかまです。

モウセンゴケ(ロツンディフォリア)Drosera rotundifolia
コモウセンゴケ Drosera spatulata
イシモチソウ Drosera peltata
ナガバノイシモチソウ Drosera indica

モウセンゴケの種類 

モウセンゴケのなかまはおよそ200種もあります。

モウセンゴケは、休眠期は地下に塊茎(球根)をつくるもの、
地下に塊根をつくるもの、
塊根も塊茎もつくらないものがあります。

塊茎(球根)をつくるモウセンゴケは、ほぼオーストラリアに自生しています。

ドロセラ・ギガンテア Drosera gigantea
ドロセラ・ルピコラ Drosera rupicola
ドロセラ・スクアモサ Drosera squamosa

塊茎をつくるモウセンゴケは南アフリカに自生しています。

ドロセラ・システィフロラ Drosera cistiflora

塊茎も塊根もつくらないモウセンゴケのなかまには、
ピグミードロセラと呼ばれる小型のモウセンゴケや

ドロセラ・スコルピオイデス Drosera scorpioides
ドロセラ・プルケラ Drosera pulchella

熱帯性のモウセンゴケ

ドロセラ・ブレビコルニス Drosera brevicornis
ドロセラ・フルヴァ Drosera fulva

温帯性のモウセンゴケもあります。

ドロセラ・ハミルトニー Drosera hamiltonii
ドロセラ・アリキアエ Drosera aliciae

モウセンゴケの観察・入手方法

モウセンゴケを見たり、買ったりすることは可能でしょうか?

以下の場所で観察することができます。

・自生地
・植物園

以下の場所で購入することができるかもしれません。
・食虫植物愛好家団体の集会
・ホームセンター、園芸店、アクアショップ
・食虫植物専門店

モウセンゴケの自生地

日本国内で、野生のモウセンゴケを観察できます。

成東東金食虫植物群落

尾瀬国立公園

葦毛湿原

・赤城山

・豊明市のナガバノイシモチソウ自生保護地

とくに、千葉県の山武市、東金市にまたがる成東東金食虫植物群落は、駅から遠くなく
4月〜10月にかけてボランティアスタッフの方が植物解説をしてくださるので、
はじめて観察するのにおすすめの場所です。

成東東金食虫植物群落

豊明市のナガバノイシモチソウの自生保護地は、年に2回保護地が一般公開されます。
公開日に観察することができ、日本中の愛好家や地元の人たちでにぎわいます。

豊明市のナガバノイシモチソウの自生保護地

植物園の食虫植物展示

植物園のモウセンゴケの常設展示があります。

また、期間限定で夏に食虫植物展が開催され、その時にモウセンゴケのなかまが
展示されることがあります。

食虫植物愛好家団体の集会

全国の食虫植物愛好家団体が定期的に公民館などで集会を催しています。
ここの販売会や分譲会で購入できることもあります。

・日本食虫植物愛好会
・食虫植物研究会
・東海食虫植物愛好会
・食虫植物探索会

ホームセンター・園芸店・アクアショップでモウセンゴケを購入するには

4月中旬から秋くらいにかけて、ホームセンターや園芸店、アクアショップで
モウセンゴケの苗が販売されています。
山野草店や盆栽店で、モウセンゴケやコモウセンゴケ、東海コモウセンゴケが販売されているのを
見ることもあります。

オザキフラワーパーク
プロトリーフ
ヨネヤマプランテイション
Gardens
charm
アルペンガーデンやまくさ

食虫植物専門店でモウセンゴケを購入するには

ヒーローズピッチャープランツ
Y’s Exotics山田食虫植物農園
大谷園芸
リベラルファーム

ヤフオク!でも出品されていますので、気になる種類があれば探してみてはいかがでしょうか。

モウセンゴケの値段はどれくらい?

1000円〜3000円くらいの価格帯です。

モウセンゴケを買うときに気をつけること

モウセンゴケを選ぶ時には、

・粘液がしっかり出ている
・葉にいきおいがある

とくにこの2つに気をつけます。
粘液をしっかり出してキラキラとしているのが元気なモウセンゴケです。
元気がないと、粘液があまり出ずに、葉がへたったりします。

入手しやすく育てやすいモウセンゴケ

モウセンゴケと一言にいっても、地下に塊根をつくるモウセンゴケや熱帯性のモウセンゴケなどで
育つ環境が異なります。

モウセンゴケの中でもよく販売されていて、丈夫で育てやすい種類は、この3つです。

・アフリカナガバノモウセンゴケ(Drosera capensis

・ヨツマタモウセンゴケ(Drosera binata

・アデラエ(Drosera adelae

とくにアフリカナガバノモウセンゴケは、丈夫で種がつきやすく、種でよくふえます。

発芽したばかりのアフリカナガバノモウセンゴケ

元気に育つととても見ごたえがあり、おすすめのモウセンゴケです。

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